ともだちの「わ」コラム ゴッツのともだち(のともだち)による 第11回 有冨誠一郎(ありとみせいいちろう) 1964年9月13日生 〜ゴッツとWRC〜 ゴッツがインテ・チャンピオンになってしまった。 ヴィッツでコンソレぎりぎりだったりしたゴッツが、だ。 宝くじが当たったり、甲子園で優勝したりすると 急に友達や親戚が増えるのと同じように 勝つと「ゴッツに教えたのはオレだ」というヤツも増える。 オレもそのひとりである。 オレとゴッツ、それにチャボ碓井はある日 「ミッションカート練習&『にぎり』タイムアタック大会」を催した。 エントリーは上記3名+1。 で、交代でミッションカートに乗っていてゴッツの走りを見ていると あり得ない所であり得ないようなスキール音がサーキットにこだまするのである。 「ギョワギュエキャー」 最初は失敗の結果だと思った。 しかし「ギョワギュエキャー」は毎ラップ規則正しく同じ場所で繰り返される。 観察しているとその音は全身の力を込めたフルブレーキングによって発生しているようだった。 高速の1コーナーの先の少しRがきつくなった2コーナーへのアプローチポイントである。 オレ的にはその場所はあんまり深くブレーキせずに通過平均速度を上げたい というイメージだったけど、ゴッツはとにかく力任せのフルブレーキングに命を懸けていたわけだ。 そうして見ると、ブレーキングだけでなく 足にも腕にも全体にやたらと力が入っているようなのだ。 それを我々はたっぷりの悪意を込めて「ホルモン走法」と名付けた。 さらに考えると納得いくことがあった。 インテレースの時にゴッツはマウスピースをしていた。 それだけ歯を食いしばり力を入れているのではないかということは簡単に想像できた。 鬼のようにステアリングが重いらしいアルテッツァならともかく 楽々パワステでしょインテは? 「だからダメなんじゃないのお!!」 ホルモン走法という命名に意外とナイーブなゴッツは傷ついたみたいだったが それと同時にちょっと走りのイメージも変えたようだった。 余計なことは言わない方がいい。 その効果があってチャンピオンとなってしまったのだ…とオレは勝手に信じている。 そうしたらある日、WRCドライバーが同じことをしていることを知ったのだ。 WRCの車載映像を見ていると、よく口を開けてアタックしていて不思議に思っていたのだが 歯を食いしばってしまい力んでしまうのを防ぐためにやっているということが分かった。 オレも今週末、プレス対抗ロードスターで口を開けて走ろうと思う。 あ ■有冨誠一郎 ひとことプロフィール by GOT'S 通称せ〜ちゃん。日本で唯一のモータースポーツ週刊誌「週刊オートスポーツ」編集長。 かつては(四半世紀前!?)FJ1600のステアリングを握り、本気でF1を目指していたという、数少ない「ちゃんと走れる編集長」。 最近は「エンジョイレースに本気モード」か「本気レースにエンジョイモード」でしか参戦しないというちょっとずるいおじさんドライバー(笑)。 でも、上の「にぎり」を持って帰ったのは、チャボでもなく、インテチャンピオンでもなく、イタコのオーナーでもなく、せ〜ちゃんでした。 |